人工知能のしくみとディープラーニング
シンギュラリティは来るのか?
仕事がロボットに奪われるとか。
少々、技術がごっちゃになって理解されている感が否めない今日この頃。
まず、第一の質問で、仕事がロボットに奪われる条件とは?
これは、人件費とロボット設備費の関係から、ロボットのコストが下がれば、いずれかやってくるでしょう。そのほうが効率が良いですから。
次に、ロボットにどんな仕事が奪われるのか?という話です。
世の中にはいろんな仕事があります。
どれが、ロボットもしくは、AIを持つエージェントに取って代わるのでしょうか。
そもそも、このブームが来た所以は人の脳の構造を真似たニューラルネットを起源にした深層学習です。
以前から、人工知能の一つである強化学習、機械学習で、画像を認識させることが研究されていました。
この画像認識技術において、深層学習(ディープラーニング)は爆発的な能力を発揮したのです。識別率向上により、ロボットへの応用化への機運が高まってきました。
しかし、この画像認識技術だけでは、実世界で動くロボットは作れません。
そこで、次に出てくる技術がSLAMです。
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この技術によって、ロボットが実世界でどのような動きをすればよいのか、計算できるようになりました。
さらに、ディープラーニングでセグメンテーションという、物体識別や、類似写真の認識で、さらに物体を認識する能力が上がりました。
最近では、単眼レンズのみでCNNを用いて深度推定をし、SLAMを行うなど、低コスト化への研究も盛んです。
うまく行けば、自律ロボットまたは、自動運転が可能になります。
つまり、タクシーの運転手が要らなくなるということです。
あとは、IoT社会のもたらす膨大な情報量を用いて、市場解析をしたり、衛生からの航空写真を用いて、人の動きをヒートマップとして表したり、このようなビッグデータを解析する研究も増えています。これは深層学習(ディープラーニング)によるものですが、データ量が多いほど解析結果が向上します。
また、よく言われているのは銀行員のAI化ですが、所詮、人間に予測できないものはエージェントにも予測できないので、通常業務である事務作業はエージェントに任せたほうがコストが下がるという意見もあると思います。
ディープラーニングがもたらしたチカラ。
最近はIT企業の他分野への進出とその分野の効率化が進んでいます。人の介在をなくすことで、ヒューマンエラーやコストダウンが行えるのは事実ですが、人が介在しなくなることでもたらされる社会の変化と価値観の変化には注意しなければならないと思います。
今後が楽しみです。常に考えるのをやめずに、明るい未来をどのように作り、弊害をどうやって乗り越えていくのか?本当は考慮しなければならない問題を無限に考えていく、これからの科学技術の仕事です。
〈3〉人工知能のしくみとディープラーニング (はじめてのAI いま知っておきたい未来のくらし)
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