YaTaro文庫

読書家です。いろんな事を知りたくて、たくさん本を読んでいます。せっかくなので選書や気になることがあったら情報共有したくて、ブログを開設しました。同じ趣味の方がいらっしゃったら是非、読んでいってください。

脳AI融合の最前線:人間の能力を超えた可能性

『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか―脳AI融合の最前線』は、脳研究者の池谷裕二氏と紺野大地氏が、脳とAIの融合によって人間の可能性を拡げる最先端の研究を紹介した一冊です¹²。脳とAIをつなぐことで、会話せずに思考を伝えたり、念じるだけでインターネット検索ができたり、睡眠や食欲をコントロールしたり、紫外線や赤外線が見えるようになったり、といった驚くべきことが実現できるかもしれないということを、科学的な根拠とともに分かりやすく説明しています¹²。

本書の良かった点は、脳とAIの融合に関する最新の研究成果や事例を豊富に紹介していることです。著者たちは、自らが関わる「ERATO 池谷脳AIプロジェクト」の活動や、世界各国の研究機関や企業の取り組みを紹介しながら、脳とAIの融合がどのように進んでいるのか、どのような技術やデバイスが開発されているのか、どのような応用や影響が期待されるのかを詳しく解説しています¹²。また、脳とAIの融合には、倫理的な問題や社会的な課題も伴うことを指摘し、読者に考えるきっかけを与えています¹²。

本書の気になった点は、脳とAIの融合に対する著者たちの姿勢があまりにも楽観的であることです。著者たちは、脳とAIの融合によって人間の能力が拡張されることを歓迎し、その可能性にわくわくしている様子が伝わってきます¹²。しかし、脳とAIの融合には、人間のアイデンティティや自由意志、プライバシーやセキュリティなど、重大な問題も含まれていることを忘れてはなりません³⁴。脳とAIの融合がもたらす未来は、必ずしも明るいものばかりではないかもしれないということを、もっと深く考える必要があると感じました³⁴。

本書を読んだ後に感じたことは、脳とAIの融合は、人間の存在や社会のあり方を根本的に変える可能性があるということです。脳とAIの融合によって、人間は自分の能力や感覚を自在に変えることができるようになるかもしれませんが、それは同時に、人間とは何か、人間にとって何が大切なのかという問いに直面することを意味します³⁴。脳とAIの融合は、私たちにとってチャンスであると同時に、チャレンジでもあるのだと思いました³⁴。