ニューラルネットの誕生
この記事でも言及しましたが、ニューラルネットワークの続きです。
この本では、ニューラルネットの誕生の経緯について深く書かれており、その可能性について、今流行りのパターン認識以外でも、語られている。
印象に残った言葉をまとめました。
ニューロコンピュータ並列処理型で単能で、原理が狭い部分だけ取り上げて、能力がストレートに出力できるように学習させている。
狭く考えると、文字認識、音声認識、パターン認識だが、特定のターゲットを見てなんであるかを認識するのではなく、大まかに外界全体の空間構造、配置、対象と自分の動き、位置関係の把握など、大まかに認識させるのも可能だ。
特に、セマンティクス(意味論)においては、これまでのノイマン型コンピューターや人工知能風なツリー構造の単語の関連付けではうまく行かなかった。
だが、曖昧さの補助をニューロで補助できるかもしれない。
もう一つ、言語や論理を最高レベルとすれば、判断も同じくらいに難しいと言える。
正答率100%の特定の回答ではなく、正答率95点くらいの曖昧さを含んだ準最適機械であれば、ニューラルネットワークは適している。理論体系も選択肢として、現実世界で動作する機械を考える場合は重要。
いままでは、計算とかアルゴリズムとか概念がシビアだった反面、確率的な歪みを入れた計算決定方式、誤差と誤り誤差を認めることも手段としてはあり得る。
ニューロコンピューティングから情報幾何学へ (ステアリングシリーズ―科学技術を先導する30人)
- 作者: 甘利俊一
- 出版社/メーカー: 三田出版会
- 発売日: 1990/09
- メディア: 単行本
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