1984年 ジョージ•オーウェル
1984年。
この本は、事実を都合の良いように解釈する恐ろしさについて物語っているように感じます。
今日の情報社会は、全てにおいて現実味がありません。
シリアでの内戦や紛争は、日本にとっては対岸の火事。リアリティを持たないのも事実です。
上下する株価。景気の波。GDP。それ自体を気にしても、家計が良くなるわけではありません。実態はないのに、気にする必要がある。
景気を実感する機会がない。これも情報だけ受け取っていて、リアリティに欠ける一例だと思います。
この前は、不正統計について、話題になりました。統計というものは、母集団から、標本集団(サンプル)を抜き出し、サンプルを調査するもの。つまり、平均と標準偏差を、隅々までチェックすることなく、全体(母集団)は一様に分布していることを仮定して、行う行為です。
しかし、国には、多種多様なステータスがあります。全員が納得する値なのか、正確にはわかりません。統計結果に比べて、実感がないのはこれが一因でしょう。
事実の誤認(二重思考)は、事実を認めず、何かを信じることによって、起こる。本来、統計は良いはずだから、自分の生活も良くなるわけではない。ということはしっかり、認識しないと、この二重思考に、ハマってしまう恐れがあります。
また、二重思考は全体主義の道具としても利用される側面もある。自分が何を信じればよいのか、分からず、集団に属することで、安堵する。そんな一面も持ち合わせています。
現実と虚構のギャップが叫ばれ、マスメディアの存在も多様になって行く中、自分は、何を信じ、何をするか。
しっかりと、リテラシーを高めていくことが、盲目を避ける唯一の手段なのかも、しれません。
この本のあらすじは下のリンクを参照してください。
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